「朝ちゃん」スウェーデン公演中!
現在、スウェーデンで堀絢子さんが反戦反核ひとり芝居「朝ちゃん」を公演中です!
今回は遠い異国で頑張っている堀さんに応援の気持ちを込めて、「朝ちゃん」応援ブログに届いた「朝ちゃん」の感想をご本人の許可を頂いて掲載さいたします。
※写真は2011年6月27日の「朝ちゃん」東京下北沢公演で撮影した堀絢子さんと「ザ・シンプソンズ」で共演されているレニー役声優:朝戸鉄也さんとウィガム署長役声優:中村大樹さん
舞台や映画を観に行く前は、ちょっとした旅行のようでワクワクする。
けれども正直、この「朝ちゃん」の公演を観に行くことは複雑な気分だった。
すすり泣く声が聞こえる会場の風景が容易に想像できてしまったからだ。けれども凝ったセットもなく、ただただ広いだけの舞台にたった一人で語り、
演技をする堀さんは、観客をあっという間に1945年8月6日の朝へと連れて行ってくれた。
あの朝を疑似体験している間は泣いてなんていられない。
人は悲惨な状態に陥ったら、まずは泣くよりも現実を切り抜けなければならないからだ。
そう、泣くのは心が一段落してからだ。この舞台は原作である本を元に、堀さんが1人で5役を演じている。
舞台構成は1人ということもあり、情景描写も堀さんの口から
生々しくおどろおどろしく語られるので、本の読み聞かせに近い。
だからこそ観客は想像を膨らませ、原爆の爆撃を直に受けた秋ちゃんの惨い姿を、
各々の頭の中で想像してしまう。このように人は、想像をすることができる生き物である。
想像をすることで、原爆というものをつくり出すこともでき、
人の痛みをこのように感じることもできる。夏が近くなると、小学生の時には毎年映像や教科書や講演会などで、
原爆の悲惨さを教えられた。
現在30歳である私は、豊かな時代に育ち、戦争を知らない世代だが、
そんな私たちが親となり、さらにさらに戦争が架空の物語のように感じてしまう
子供達の世代へと時代は進んでいっている気がする。日本は原爆投下を体験した世界で唯一の国。
体験したことのない私たちが唯一体験することができるのは、
このように語り継いでくれる舞台や物語、資料に自ら足を運ぶことだ。演技中の堀さんの眼にはライトの光が映り込み、その眼が生きることへの執着を
さらに強調していた。
そんな表情を演じていた堀さんは、ひとたび舞台が終わると気遣いの優れたとても優しい
女性へと変わった。そして堀さんが舞台後の挨拶で言った、
「日本は実験台にされたのです」
という一言。
言葉を置き替えるのならば”人体実験”である。戦争中ならば、何でも許される。
戦争中ならば、幾ら人を苦しめても罪に捕われない。
実際被害者だけではなく、原爆を投下した側の人間も、
精神的なトラウマを抱えたという話もある。
日本が降伏しなかったから悪い、原爆を落としたアメリカが悪いと、
原爆投下の責任を”戦争だったから”という言葉で片付けようとしているが、
奇しくも原発問題に揺れる今の日本も、”災害だったから”で片付けようとしてはいないだろうか。明るくて楽しい作品ではないが、
日本人なら確実に観るべき舞台であり、世界に発信し続けるべき歴史である。
(東京在住・女性)
今、まさに堀絢子さんは遠いヨーロッパで戦争と核兵器の恐ろしさを日本人として世界に伝えていらっしゃいます。
堀さんは依頼さえあれば日本全国・世界全国どこでも飛んでいかれるそうですので、学校・団体・会社等々…公演を依頼したいという方はぜひ「スタジオデュオ堀 慶子事務所」さんまでお問い合わせください。
「朝ちゃん」お問い合わせ先
スタジオデュオ 堀 慶子事務所
TEL 03-6273-7571、FAX 03-6273-7572、e-mail:duohori@river.ocn.ne.jp
※【公演のお申し込み】堀絢子さんはボランティアで無料出演されておりますが、スタッフ人件費・音響照明機材費・交通費などの経費がかかるそうです。詳しくは【スタジオデュオ 堀 慶子事務所】にご相談ください。